ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『まんが医学の歴史』茨木保,医学書院,2008

 作者は産婦人科医でクリニックの院長をしているマンガ家。医学書の世界では有名な方で、ある執筆者から茨木先生に挿絵を描いていただきたいとご指名されたことがあります。というのは、ある医学雑誌で四コママンガを連載していて、それがとてもリアルで面白かったからとのことでした。その本の出版は残念ながら流れてしまいましたが……。

 本書は、医学の父ヒポクラテスからiPS細胞の山中先生まで、医学上の発見と発展の歴史を非常にわかりやすく解説したもの。非常に中身が濃くて、まさしく労作といってよい作品です。まあ、一家に一冊あるべきで、もし好奇心の強い小学生がいましたら、どのように人類が現代に至ったか、一つの歴史群の見本として理解できます。とくに興味深かったのが、ルネサンス期に解剖学を打ち立てたヴェサリウスですね。もう少し詳しく調べてみたいですね。

まんが医学の歴史

まんが医学の歴史