ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『悲しみのイレーヌ』ピエール・ルメートル,橘明美訳,文春文庫,2006,2015――いかにもなミステリオタクのデビュー作

 『その女アレックス』で評判を得たルメートルのデビュー作。『死のドレスを花婿に』が破たんしていたので、もうルメートルは読まなくてよいかなと思っていたら、その後に翻訳されいる作品の評判が良いことから、とりあえず順番に進めるということで手に取りました。

 犯人像が似たものとして、超有名なあの作品とあの作品が思い浮かびます。でも、読者サービスが旺盛で、文体なのか、シーンの切り取り方が上手いのか、キャラクター描写が上手いのか、帯の通り「史上最悪の犯罪計画」と書かれているとおり、よくわからない魅力があるということで、☆☆☆☆というところです。

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)