被虐待児には、受けたもの特有のうつをもつ者がいる。そんな被虐待児の心理的特徴を記した本ですが、はっきりした被虐だけではなく、虐待ともいえない親からの小さな否定的な行為を受けた子どもたちまでも通じる内容となっています。
例として、発達障害児として疑われた少年をみていくと、本をきちんと読めることなどから発達障害ではなく、被虐によるものであると診断した。しかし医師や保健師などの医療職としては助ける手立てはないけれど、少しだけでも支援していけば、小学5~6年生ごろには、次第に社会的適応を見せていく様が書かれています。そのような少年・少女は非常に多いのではないかと思います。しかし、彼らはそれでも苦しむのですが……。
私としては、虐待されたり、いじめを受けたことがある人は、うつの可能性があるということをもっとはっきりと示していただきたかったですね。
消えたい: 虐待された人の生き方から知る心の幸せ (単行本)
- 作者: 高橋和巳
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/03/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る