ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『東の果て、夜へ』ビル・ビバリー,熊谷千寿訳,ハヤカワ・ミステリ文庫,2016,2017ーークライムミステリ版スタンドバイミー

 デビュー作にして、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞、同最優秀新人賞ジョン・クリーシー・ダガー受賞、全英図書賞(年間最優秀犯罪小説部門)受賞、ロサンゼルスタイムズ文学賞(ミステリ部門)受賞などを受賞し、昨年のミステリランキングに軒並み選出されたクライムノベル。

 15歳の黒人の少年のイーストは、LAの麻薬組織に所属していた。その組織から、弟を含む20歳、17歳、15歳、13歳(弟)の4名の少年で2000マイル離れたところに住む裁判の証言者を殺すよう命令された。それも監視カメラなどを徹底的に避けるため車で行って、足がつかないようカードも使用しないという条件だった。4人の少年たちは警察を避けて2000マイルの旅に出たのだが……

 読んでいて、どうもキャラクターがつかめなかったため、『スタンド・バイ・ミー』の黒人版、かつ死体探しならぬ暗殺版にアレンジしたものとして頭で変換して、ようやくつかめたものの、それでも最後まで共感することができませんでした。というわけで、☆☆☆といったところです。

東の果て、夜へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

東の果て、夜へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)