本書は,英国推理作家協会賞最優秀長篇賞で書評の評判がよく手にとったが失敗した。各種ランキングで評価を受けているから,万人に受ける作品化と勘違いしていた。
ミステリ好きには2種類いて,これは「あちら側」の人が好きなミステリだった。だいたいこれは後出しばかりでミステリなのだろうか。人間心理が謎のミステリというのはミステリではないと思う。同種のものにジョン・ハートの作品や「ザリガニ」が挙げられる。読んだ後アマゾンを見て北上氏と池上氏が推薦しているのを見て手に取るべきではなかったと後悔しました。「こういうミステリを好きな人がいるんだよなあ」と傍観していた作品でした。
読んでいて似ていると気になっていたのが,『はみだしっ子』シリーズである。この小説の肝の部分まで似ているのには驚いたけど。けれど,『はみだしっ子』はどのようにしたらよいかが論理的に語られていたから,そこが魅力てきだったのであるけど,本作品にはそれがない。後出しばかりである。ミステリといわなければ,まあそれなりの作品であったが,というわけで,☆☆☆といったところです。
というように,私の勘違い読書だったにもかかわらず,厳しすぎました。申し訳ございません。