歳をとったせいなのか,だんだん小説が読めなくなってきました。小説だけでなく,ビジネス書,実用書,人文書など活字全般を読む気力がなくなってきました。加えて社会問題にも興味をもてなくなってしまい,これが人生の終盤に入ったことなのか,と日々落胆していきます。
さて,本書の作者,年末のベスト10などで評判のよいホロヴィッツですが,わたしには相性があまりよくないようで,本書も読み終えた後,『カササギ殺人事件』の時と同じような感想をもちました。
それは,物語の描写の仕方が説明調で読み進めるのに苦痛であること,興味をもてないキャラクターであること,唐突に解決編になることなどです。
少し前にエラリー・クイーンを読んだためか,その違いに愕然とします。ライツヴィる編ですが,クイーンは今読んでも,文章に無駄がなく,さらにほとんどが二重の意味を込めていますので,謎解き編を終えたあとも,もう一度読む気になります。
でも,次作も読みますけど。