ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『メインテーマは殺人』アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭訳,創元推理文庫,2017,2019

 歳をとったせいなのか,だんだん小説が読めなくなってきました。小説だけでなく,ビジネス書,実用書,人文書など活字全般を読む気力がなくなってきました。加えて社会問題にも興味をもてなくなってしまい,これが人生の終盤に入ったことなのか,と日々落胆していきます。

 さて,本書の作者,年末のベスト10などで評判のよいホロヴィッツですが,わたしには相性があまりよくないようで,本書も読み終えた後,『カササギ殺人事件』の時と同じような感想をもちました。

 それは,物語の描写の仕方が説明調で読み進めるのに苦痛であること,興味をもてないキャラクターであること,唐突に解決編になることなどです。

 少し前にエラリー・クイーンを読んだためか,その違いに愕然とします。ライツヴィる編ですが,クイーンは今読んでも,文章に無駄がなく,さらにほとんどが二重の意味を込めていますので,謎解き編を終えたあとも,もう一度読む気になります。

 でも,次作も読みますけど。