ミステリを読む 専門書を語るブログ

「ほしいつ」です。専門書ときどき一般書の編集者で年間4~6冊出版しています。しかしここは海外ミステリが中心のブログです。

『キツネ狩り』寺嶌曜、新潮社、2023ーー『ハコヅメ』の影響を受けているか?

 どこかの書評か何かで気になり、Amazonの評価で気になり、手に取って「新感覚警察小説」の帯と、1958年生まれのグラフィックデザイナーの経歴の著者で気になって、手に取ったもの。今どきの新人はこのくらいフックがかからないと手に取らないね。

 ソフトカバーだし、総ページ数も多くないから、すぐ読み終えるかなと思ったけれど、意外に時間がかかりました。読んでる途中眠気に結構襲われました。Amazonのレビューは一気読みが多いけど本当かな。その理由は、まず場人物の姓名の表記が、姓だったり名前だったりして混乱してしまうため。何で統一しないんだろう。何かトリックなのかと思ってしまう。名だけではなくフルネームにすればすんなり読めるのに。もう一つは文章ごとに登場人物の視点が異なって、これは誰の視点かといちいち確認しなくてはなりませんでした。

 クライマックスは、なんとなく『ハコヅメ』を思い出しましたしね。ーー刑事たちのキャラクターが『ハコヅメ』から影響を受けている感じがします。『ハコヅメ』は新しい警察ものですしね。また最初の事故が伏線となって回収するのかと期待していたけど回収しておりませんでした。これはシリーズ化を目論んでいるんでしょうか。

 といわけで、今どきのミステリっぽいし、犯人像も悪くないので、☆☆☆★というところです。

キツネ狩り

キツネ狩り

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