謎解きミステリを読みたい気分になって手に取った一冊。クイーンは国名シリーズのすべてを読んでいないのですが、それがどれだか分からなくなってしまいました。本書は、『災厄の町』の前作でクイーン中期の作品。ボー・ランメルというクイーン警視の友人の息子と私立探偵社を経営するという、A・A・フェアを思わせる軽いエピソードから始まります。
事業と投機で巨万の富を築いた百万長者のカドマス・コールはほとんどをヨットで海上生活を送っていた。そのコールが、突然事務所に現れ、将来起こる事件のために一万五千ドル払って契約したいと奇妙な依頼を申し出た。その数日後、ヨットに航海に出たカドマス・コールが海上で心臓まひで死んだという知らせが届いた。殺人ではないかと疑うエラリーだが、ちょうど盲腸の手術を受けて入院中だった。代わりにボー・ランメルが捜査に当たるのだが……。
その後、その巨万の富を相続する者を捜していくわけです。作者は死体を見ることができない殺人事件を扱って謎解きミステリを展開していきますが、正直あまり面白くなく☆☆☆というところです。
- 作者: エラリー・クイーン,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1965/07/23
- メディア: 文庫
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