ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第5作目の作品。いつもの通り、読者を裏切らない端正な謎解きミステリ。イギリスの芝居劇場を舞台としているので、クリスティの雰囲気もたっぷり。
ホロヴィッツはホーソーンとの共作を断ったが、ロンドンで始まった自分が手掛けたコメディミステリ戯曲に対して、酷評の記事を書いた女性評論家が、ホロヴィッツの指紋がついた剣で刺殺された。犯人として逮捕されたホロヴィッツは、ホーソーンに無実を証明するよう依頼した。 ここから舞台関係者にアリバイを聞いて回り、犯人の過去の仕事を探った。
今の時代にこんなトリックをするかというもので、読み終えてみると、このトリックを成立させるための設定であることがわかります。複数の小ネタをしこんでおり☆☆☆☆といったところで、堅実な佳作です。